給湯器と電気温水器の違いと選び方! 5つのポイント

日常生活に欠かせない給湯器や電気温水器。最近では多彩な機能を備えた製品が増え、快適なお湯ライフを実現できます。しかし、種類が多すぎて何を選んでいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、給湯器と電気温水器の違いや、どのようなポイントに注目して選べばいいのか解説します。故障や劣化が気になる方はもちろん、新しく購入する方もぜひ参考にしてください。

  1. 給湯器と電気温水器について
  2. 給湯器と電気温水器の違いについて
  3. 給湯器・電気温水器について
  4. 給湯器・電気温水器の選び方
  5. 給湯器・電気温水器〜よくある質問〜

この記事を読むことによって、自分に合った給湯器・電気温水器がお分かりいただけるでしょう。ぜひお役立てください。

1.給湯器と電気温水器について

そもそも、給湯器や電気温水器とはどのようなものなのでしょうか。基礎知識をご紹介します。

1-1.給湯器とは

給湯器とは、読んで字のごとく「水を沸かしてお湯に変えて供給する器具」のことです。そして、ガス・電気・石油を燃料とします。それぞれの概要をご紹介しましょう。

1-1-1.ガス給湯器

ガス給湯器は、都市ガスやプロパンガスを燃料するタイプで、現在最も普及しています。1度取り付けると、寿命(平均10年)を迎えるまでは比較的故障することが少なく、高い給湯力をたもてるのが特徴です。そして、ガス給湯器は2種類あります。

  • 貯湯式(ちょとうしき):タンクに入っている水をガスで沸かしお湯にしてためるタイプです。現在では、ほとんど発売しておらず、電気ヒーターで加熱するタイプになっています。
  • 瞬間式:金属パイプに流れる水をガスで加熱しお湯にするタイプです。必要なときに必要なだけお湯を使うことができます。現在では、ほとんどがこのタイプです。

最近では、「環境や家計にやさしい」といわれている瞬間式の進化型で、省エネ設計のガス給湯器システム「エコジョーズ」を選ぶ人も増えてきました。エコジョーズについては、後の項でご説明しましょう。

1-1-2.石油給湯器

石油給湯器は、灯油を燃料とする給湯器です。パワフルな給湯ができるので寒冷地では特に人気があります。構造はガスの「瞬間式」と同じで、パイプに通っている水を石油の炎で熱してお湯にするのです。灯油代は原油価格により変化しますが、比較的ランニングコストがかからない給湯器となっています。

また、最近では従来の石油給湯器と比較するとより熱効率がよくなり、灯油代の節約にもなる「エコフィール」も人気を集めているのです。エコフィールは、まず2次熱交換器で水を加熱し、そのときに排出する排熱を再利用して1次交換器で温める仕組みになっています。

1-1-3.電気給湯器

電気給湯器は、電気を使ってお湯を温めるタイプです。「電熱ヒーター式」と「熱交換式」の2種類があります。そして、現在では、熱交換式の電気給湯器は「エコキュート」のことを指すのが一般的になっているのです。

エコキュートは、メーカーなどが愛称として使用している名前で、正確には「自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯器」といいます。ヒーターで水をお湯に温める「電熱ヒーター式」の電気温水器とは異なり、コンプレッサーでくみ上げた「空気中の熱」を利用してお湯を作る「熱交換式」なのが特徴です。

インターネットなどでは、電気給湯器(エコキュート)と電気温水器を「同じもの」と説明していることもあり、違いが分かりづらくなっています。けれども、この2つは異なる特徴を持っているのです。次の項では電気温水器についてご説明しましょう。

1-2.電気温水器とは

「1-1-3.電気給湯器」で取り上げたように、電気温水器は「電熱ヒーター式」でお湯を沸かすシステムのことです。昔からオール家電住宅などで用いられています。

電気温水器は、深夜11時〜翌朝7時までの電力が安くなる時間帯に電気を使ってお湯を温め、給湯タンクにためる「貯湯式」です。また、蛇口をひねってから温めを開始する「瞬間式」もあり、こちらは給湯タンクが不要でコンパクトなタイプになっています。

2.給湯器と電気温水器の違いについて

ここでは、ガス・電気給湯器と、電気温水器の違いを比較してみましょう。

2-1.ガス給湯器と電気温水器の違い

ガス給湯器と電気温水器はどのように違うのでしょうか。省エネ型ガス給湯器「エコジョーズ」と、電気温水器を比較してみました。

2-1-1.エコジョーズとは

「1-1-1.ガス給湯器」でも取り上げたように、「エコジョーズ」とは、省エネ設計のガス給湯器システムのことです。

通常、ガス給湯器は水道管から流れてくる水をガスの炎で温めてお湯を作ります。その際、約200度の排気熱が出るのです。

エコジョーズは、この排気熱を利用して1次熱交換器であらかじめお湯を温め、さらにそのお湯を2次熱交換器で温める構造になっています。そのことにより、排気熱は約50度に抑えることができるのです。今まで余分に消費していたガスを有効に使うので、少ないガス使用量でお湯をたくさん沸かすことができます。

2-1-2.違いについて

エコジョーズと電気温水器の大きな違いは熱源です。エコジョーズの熱源はガス、電気温水器の熱源は電気になります。そして、システムやランニングコストなども異なるのです。その違いをメリット・デメリットで比較してみましょう。

2-1-3.エコジョーズのメリット・デメリット

エコジョーズは、「瞬間式」なのでいつでも好きなときに必要なだけお湯をたっぷり使えます。キッチン・お風呂・洗面所など同時にお湯を使用することができるのです。また、「貯湯タンク」が必要ないので場所をとらないのもメリットでしょう。

ただし、電気温水器の深夜電力代と比較するとガス代のほうが高めです。また、ガス代にはガスコンロやガス暖房器具の使用量も含まれます。1人〜2人暮らしでお風呂やキッチンで大量にお湯を使わない場合は、大幅なガス代節約効果が見込めないのがデメリットでしょう。

2-1-4.電気温水器のメリット・デメリット

電気温水器は、電力の安い深夜に電気でお湯を沸かしてためるので電気代の節約になります。また、ガスや石油給湯器のように「給排気用」の設備や工事は不要です。一酸化中毒の心配もする必要がありません。

ただし、貯湯式なので湯切れの心配がある、ガスや石油給湯器と比較すると熱効率が低いなどがデメリットとして挙げられます。

2-2.電気給湯器と電気温水器の違い

「1-1-3.電気給湯器」「1-2.電気温水器とは」でご説明したことをおさらいしてみましょう。

  • 電気温水器:割安になる深夜の電力を利用し、電熱ヒーターでお湯を沸かして貯湯タンクにためる
  • 電気給湯器(エコキュート):コンプレッサーでくみ上げた「空気中の熱」を利用してお湯を作り貯湯タンクにためる

両方とも電力を熱源としています。けれども、電気給湯器(エコキュート)のほうが電気温水器よりも省エネかつ効率的です。

電気温水器は、室内の床下や屋外に設置するタイプのほかにも、室内床置きタイプ・壁掛けタイプ・調理台の上に置くタイプがあります。電気給湯器(エコキュート)の場合は、エアコンの室外機のような「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンク」の両方が必要なので屋外に設置するのがほとんどです。

そのために、それらを設置できるスペースを確保しなければなりません。また、初期投資はエコキュートのほうが高いのですが、月々の電気代は電気温水器のほうが高くなります。

3.給湯器・電気温水器について

電気・ガス・石油などの給湯器や、電気温水器を選ぶにはどうやって選べばいいのでしょうか。

3-1.選び方のポイント

3-1-1.給湯能力

電気・ガス給湯器にしても電気温水器にしても、選ぶときに1番考えたいのが「給湯能力」です。家族の人数や生活スタイルによって、使用するお湯の量は大きく異なります。

電気給湯器(エコキュート)や電気温水器のように「貯湯式」の場合は、貯湯タンクの大きさが選択のポイントになるのです。目安は以下を参考にしてください。

  • 1人暮らし:150〜200リットル
  • 2〜3人家族:300リットル
  • 3〜4人家族:370リットル
  • 4人以上の家族:460リットル以上

ガス給湯器の場合は「号数」で判断します。号数は10・16・20・24・28があり、数字が大きいものほど「1分間に出るお湯の量」が多くなるのです。目安としては以下を参考にしてください。

  • 1人暮らし:10号
  • 2〜3人家族:20号
  • 4人家族:24号
  • 5人以上の家族:28号

3-1-2.機能

最近は、高機能の給湯器も多くなっています。そこで、製品の機能面も注目してください。たとえば、家族が多くお風呂に入る時間もバラバラなら「追い炊き機能」や「フルオート機能」が付いているほうがおすすめです。

また、床暖房付きの給湯システムもあります。メーカーによってさまざまな機能があるので比較してみましょう。自分や家族のライフスタイルに必要な機能を備えている給湯器か、逆に不要な機能が多くないか、などを基準にすると選びやすくなります。

3-2.メーカーについて

一般的に普及している給湯器や電気温水器のメーカーは以下になります。

  • ガス給湯器・ガス風呂給湯器・エコジョーズ:リンナイ、ノーリツなど
  • 石油給湯器・石油風呂給湯器・エコフィール:ノーリツ、コロナなど
  • 電気急温水器・電気給湯器(エコキュート):日立・パナソニック・三菱電気など

3-3.最近の傾向

給湯器の寿命は、一般的に10年〜15年といわれています。昔は、調子が悪くなっても修理をしながら大切に使う傾向にありました。けれども、最近では「寿命が近くなったら新しい製品を交換する」傾向になっているのです。10年近く経過した給湯器の場合、修理が可能でもメーカーで部品を保管していないケースもあります。

また、給湯器は毎年進化しているので、思いきって新しい製品に交換したほうが使い勝手もいいのです。省エネ設計になっている製品を選べば、古い製品を使い続けるよりも光熱費を節約できるでしょう。

3-4.注意点

給湯器や電気温水器を選ぶときには、設置場所も注意しましょう。瞬間式の給湯器は不要ですが、「貯湯式」の場合は貯湯タンクが必要になります。

また、給湯器の設置方法も「屋内型」「屋外型」があり、一戸建てかマンションなどの集合住宅かによっても最適な設置タイプは異なるのです。生活スタイルや住居スタイルに向いている給湯器を選ばなければなりません。素人では判断が難しいので、的確なアドバイスをしてくれる専門業者を選びましょう。

4.給湯器・電気温水器の業者の選び方

給湯器や電気温水器を扱う業者を選ぶときは、インターネットで検索する人も多いでしょう。どのようなことに注意して選べばよいのかご紹介します。

4-1.業者を選ぶポイント

4-1-1.対応がスピーディー

給湯器や電気温水器は毎日使用します。修理や交換などに何日もかかるようでは生活に支障をきたすでしょう。スピーディーに対応してくれる業者を選んでください。

4-1-2.知識・経験・実績がある

製品にかんしての知識や経験を持ち、工事の実績がある業者なら安心です。また、そのような業者は、お客さまの住居環境やライフスタイルにピッタリな給湯器を提案してくれます。

4-1-3.最新の製品が安い

製品は安ければ安いほど助かります。けれども、安さだけで選んではいけません。給湯器や電気温水器は「買って終わり」ではないのです。取り付け工事・修理・メンテナンスなどに対応し、なおかつ最新の製品をほかよりも安く提供してくれる業者を選んでください。

4-1-4.トラブル対応とアフターフォロー

売りっぱなしではなく、製品にトラブルがあったときの修理や取り付け工事に対するアフターフォローをきちんと行っている業者なら安心でしょう。

環境ネットショップでは、アフターサービスも万全です。メーカーによる製品保証だけではなく、自社で施工した工事に関しては10年間の工事補償を付けています。詳細はこちらをご覧ください。

4-1-5.設置費用について

設置費用は、お客さまの住宅環境や製品の種類などによっても異なります。

環境ネットショップの取り付け工事費例をご紹介しましょう。

  • ガス風呂給湯器:36,000円
  • ガス給湯器:30,000円
  • 高温水供給式タイプ:33,000円
  • エコジョーズ:39,000円

現場の状況やお客さまのご要望によっては、別途工事費や部材日が必要なこともあります。

4-1-6.相談窓口とは

給湯器や電気温水器は、それぞれに特徴が異なるので何を選んだらいいか迷ってしまいます。メーカーのホームページやカタログなどで見かけた最新モデルが、必ずしも自分のライフスタイルや家にマッチしているとは限らないのが難しいところです。

そこで、迷っているときにはプロの業者に聞いてください。無料で製品や工事にかんする問い合わせや、見積もりに対応する相談窓口がある業者を選びましょう。環境ネットショップでは、お問い合わせや無料見積もりに対応しています。

4-2.業者を選ぶときの注意点

「給湯器が故障した!」というときには、すぐにでも業者に来てほしいのであせってしまいがちです。けれども、「4-1.業者を選ぶポイント」で取り上げた条件をすべて満たしている業者かどうか落ち着いて確認してください。また、商品や工事に対しての知識があいまい、説明を面倒がる、などの業者には依頼しないようにしましょう。

5.給湯器・電気温水器〜よくある質問〜

給湯器、電気温水器にかんしてよくある質問をご紹介しましょう。

5-1.古い給湯器の処分について

Q:新しい給湯器に交換したいのですが、今まで使用していた古い給湯器は業者に処分してもらえるのでしょうか?

A:業者によっては工事のときに古い給湯器の処分をするところもあります。商品だけ購入したときには、設置した業者に処分を依頼しましょう。

5-2.修理か交換か

Q:給湯器の調子が悪くなったとき、修理をして使い続けたほうがいいのか、新しい製品に交換したほうがいいのか基準を教えてください。

A:「3-3.最近の傾向」でご紹介したように、給湯器の寿命は一般的に10年〜15年といわれています。購入から8年以上経過した製品は、新しい製品に交換するほうがおすすめです。

5-3.マンションの場合

Q:マンションなのですが、古い給湯器を交換するときに気を付けることはありますか?

A:今使用している給湯器よりも、高い「号数」に交換するときには要注意です。マンションのような集合住宅では、使えるお湯の量が決まっていることもあります。マンションの管理会社やオーナーに相談してみましょう。

5-4.給湯器の号数

Q:4人家族です。全員がシャワーやお風呂などで毎日たっぷりお湯を使います。給湯器の号数はいくつが最適でしょうか?

A:一般的には、4人家族の場合は「24号」がいいといわれています。ただし、全員が朝晩シャワーを使ったりお風呂に入ったりなど、お湯を使う量が多い場合は「28号」でもいいでしょう。

5-5.給湯器を自分で交換

Q:インターネットを見ると、ガス給湯器を自分で取り替えたという人もいますがDIYで可能ですか?

A:DIYに自信がある人でも、ガス給湯器を自分で取り扱うのはやめたほうがいいでしょう。ガス漏れはなかなか気が付きにくいものです。取り付け工事込みでガス給湯器を販売している業者のほうが安心でしょう。

まとめ

給湯器と電気温水器にはそれぞれ特徴がありますが、どちらがより適しているかは自分の生活スタイルによって異なります。購入前には、どのくらいのお湯を使用するか、どのような機能が必要かを考えることが大切です。

また、製品を選ぶ際には、ランニングコストや維持費なども重要なポイントです。価格だけでなく、コスト面も見据えた上で、信頼できる業者から購入することが大切です。