給湯器安全装置が作動したらどう解除すべき? ~正しい対処法~

温かいお湯をつくりだしてくれる“給湯器”。
ガス給湯器がなければ温かいお風呂に入れませんし、寒い時期に必要なお湯を利用すうこともできません。
給湯器には種類によってさまざまな安全装置がついていますが、安全装置が働いてお湯が出なくなってしまった場合、どうすれば解除できるのでしょうか。
給湯器についている不完全燃焼安全装置やその他の種類、解除方法について詳しくみていきたいと思います。

目次

  1. 給湯器の安全装置の役割について
  2. 安全装置が作動したらどうすれば良いの?
  3. 異常時の見分け方と注意点

1.給湯器の安全装置の役割について

なぜ給湯器に安全装置がついているのか知っていますか?
安全装置がついているのには理由が必ずあります。
安全装置といってもさまざまな種類があり、それぞれ大切な役割をもっているのです。
そこで、給湯器の安全装置の役割についてチェックしていきたいと思います。

1-1 不完全燃焼防止装置の役割

屋内型給湯器には必ずついている「不完全燃焼防止装置」。
これも安全装置のひとつであり、とても大切な役割を担っています。
不完全燃焼防止装置は、給湯器のメーカーが80年代に導入し、89年には国が設置を義務化しました。不完全燃焼を起こすまえに温度差から危険性を察知し、すぐに運転を停止させる装置が不完全燃焼防止装置です。
小型の給湯器を利用する際は、不完全燃焼防止装置がついていないものではなく、しっかりついているものを設置しようと日本ガス協会は呼びかけています。
また、あるメーカーでは不完全燃焼防止装置が連続で3回作動すると自動的に点火しなくなるインターロック機能が導入されました。

1-2 安全装置の種類によってさまざまな役割

不完全燃焼防止装置以外にも、立ち消え安全装置や過熱防止装置、空だき安全装置、停電時安全装置、過電流防止装置、凍結防止装置などさまざまな安全装置があります。
これらはそれぞれ違う役割をもっているということを知っておきましょう。

  • 立ち消え安全装置…立ち消えした際のガスを止める役割
  • 過熱防止装置…機器自体が熱くなったときにガスを止める役割
  • 空だき安全装置…お風呂を空だきした際にガスを止める役割
  • 停電時安全装置…燃焼しているときに停電した場合の緊急停止機能
  • 過電流防止装置…異常な電流が流れたときに自動的に電源がオフになる機能
  • 凍結防止装置…凍結による機器の破壊を防ぐための機能

主な安全装置は以上のような役割をもっています。
どれも安全に使い続けるために必要な機能であり、いざというときに大事故を防ぐ必要不可欠な存在です。
安全装置が正常に機能しなければ大変なことになってしまうでしょう。
ガス給湯器は安全装置があるからこそ使えるものなのです。

2.安全装置が作動したらどうすれば良いの?

2-1 落ち着いてカスタマーセンターに連絡する

もし、安全装置が作動したらどのような対処をすれば良いのでしょうか。
安全装置が働くとお湯が急に出なくなってしまい生活に困ってしまいます。できるだけ早く正常に機能してもらいたいという焦りから変なところをいじってしまう人が多いのですが、それは非常に危険なので絶対にやめてください。
大切なのは「慌てないこと」。
慌ててしまうと余計時間がかかってしまい、給湯器そのものを新しいものに交換せざると得なくなったり、事故に遭ってしまう可能性が高くなります。
まずは、給湯器メーカーのお客様サポートセンター・カスタマーセンターに連絡をしましょう。
連絡をしてメーカー業者に来てもらい調べてもらうことが1番です。

2-2 再点火は絶対にしないこと

給湯器を使用している間に安全装置が作動し、止まってしまった場合、一酸化炭素が発生しているかもしれません。
もし、一酸化炭素が発生している中で繰り返し点火ボタンを押してしまうと一酸化炭素中毒事故につながってしまい、最悪な事態になる危険性が考えられます。
むやみに再点火はしないようにしてください。早くお湯を使いたい気持ちは分かりますが、安全性のためにも勝手に触らないこと。
安全のためにも絶対にしないように家族で確認しておきましょう。

2-3 なぜ安全装置が作動したのか考えよう

安全装置が作動したのには理由があります。
原因はいったい何なのか考えることも大切です。
主に挙げられるのは、「長時間の使用」か、または「老朽化」の2つ。
対処法を考えるまえに、なぜ安全装置が作動したのか、この2つのどちらに当てはまるのか考えてみてください。
もし、長年使い続けている給湯器であれば老朽化が原因でしょう。
長時間利用すると酸欠状態になってしまうため、安全装置が作動する可能性があります。
できるだけ長時の利用は避けるようにすることも大切なことです。

3.異常時の見分け方と注意点

3-1 安全装置が作動したのは「異常事態」!?

安全装置が作動した理由について挙げましたが、異常かどうか自分の目で確認することもできるので確認方法をチェックしておきましょう。

  • 換気をしても火がよく消える
  • 使っている最中に悪臭が発生する
  • 炎が青色ではなく、黄色になっている

以上の3点に当てはまるのであればすぐに使用をやめてください。
これらのケースは給湯器が異常事態になっている可能性が高いです。
給湯器から炎の色が確認できる部分がありますが、点火したときに炎の色が青であれば正常に機能している証拠です。
しかし、炎が黄色になっていると何かしらの異常が発生している証拠となるためすぐに運転を止めましょう。
そのまま作動し続けると一酸化炭素中毒になり、気分が悪くなってしまいます。
異常時の見分け方はこのようになっているので必ず知っておきましょう。

3-2 安全性のためにも「換気」は大切

開放式の小型給湯器を使う場合はとくに「換気」が必要になってきます。
換気をすることで一酸化中毒を防ぎ、常に新鮮な空気を取り入れられます。
不完全燃焼防止装置は換気不足によって作動したケースも少なくありません。換気は事故を防ぐためにも、正常に給湯器を作動させるためにも大切なことです。
換気扇をつけたり、窓を開けたりと「換気」は積極的におこなっていきましょう。
また、換気不足だけでなく、ホコリの詰まりが原因で安全装置が作動することもあるようです。
定期的に点検に来てもらい、ホコリが溜まっていないかどうか確認することも非常に大切。
給湯器は定期的なメンテナンスが大切です。

まとめ

給湯器安全装置についてさまざまな視点からみてきましたがいかがでしたでしょうか。
もし、給湯器の安全装置が作動した場合の正しい対処法を知っておけば、大事故を防げますし、給湯器を長く使い続けることができるはずです。
1番良くないのは、給湯器の安全装置について知らないこと。無知ほど怖いものはありません。
正しい知識を身につけ、上手に給湯器を利用していきましょう。

  • 不完全燃焼の役割は事故を防ぐため
  • 装置の種類によって役割は違う
  • 安全装置が作動したらすぐカスタマーセンターに連絡する
  • 再点火は絶対にしないこと
  • なぜ作動したのか原因を考えよう
  • 異常時の3つの見分け方を知ること
  • 「換気」は必ずおこなうこと
  • 定期的なメンテナンスが大切

給湯器の安全装置が作動した場合は慌てず、勝手に触らないようにすることが1番です。
正しい対処ができるように、安全装置について知り、知識を身につけてくださいね。