
ガスコンロの不完全燃焼とは? 正しい対処法や交換について
ガスコンロは料理に必要不可欠な加熱器です。生活必需品のガスコンロに不具合が起きると、日常生活に支障をきたしてしまいます。火が消えるなど、不具合はさまざまですが、特に注意しなければならないのが不完全燃焼です。不完全燃焼は一酸化炭素を発生させ、体にさまざまな悪影響をおよぼす可能性があります。不完全燃焼が起きたときは、すぐに正しい対処をしなければなりません。
そこで本記事では、ガスコンロの基礎知識・不完全燃焼の対処・予防法、設置のポイントなどについて詳しく説明します。
- ガスコンロの基礎知識
- ガスコンロの不完全燃焼について
- ガスコンロが不完全燃焼になったときの対処法
- ガスコンロの不完全燃焼を予防する方法
- ガスコンロのトラブル・設置について
- ガスコンロの不完全燃焼に関するよくある質問
この記事を読むことで、ガスコンロが不完全燃焼を起こしたときの正しい対処法を知ることができます。購入や交換を考えている方や悩んでいる方はぜひチェックしてください。
1.ガスコンロの基礎知識
不完全燃焼を防ぎ、正しく使うためには、ガスコンロの基礎知識を身につけておかなければなりません。ガスコンロの構造・種類について詳しく説明します。
1-1.ガスコンロとは?
ガス調理器具のことをガスコンロといいます。気軽に持ち運べるもの・キッチンに最初から埋め込まれているものなど、種類は多種多様です。また、ガスコンロが複数集まっているものをガステーブルといいます。熱源がガスになるため、ガス会社と契約をして供給しなければ使うことができません。卓上タイプのガスコンロは、カセットボンベを使用します。
1-2.ガスコンロの構造
ガスコンロは、バーナー・五徳・グリル庫内・グリル皿(網)・天板・前面パネルで構成されています。ガスコンロの点火スイッチを押すとバーナーから火が出る仕組みです。しかし、不完全燃焼が起きるときは、点火プラグに火花が飛び、ガスコンロ内に流れているガスに引火します。そして、ガスの不完全燃焼が始まるのです。不完全燃焼の詳細については、【2.ガスコンロの不完全燃焼について】で説明します。
1-3.ガスコンロの種類
ガスコンロの種類は、テーブルコンロ・ビルトインコンロ・卓上タイプの3つです。それぞれの特徴を以下にまとめてみました。
- テーブルコンロ:テーブルに置くだけのガスコンロ。取りつけ工事をする必要がない
- ビルトインコンロ:システムキッチンに組みこまれるタイプ。取りつけ工事が必要
- 卓上タイプ:卓上で使うことができる持ち運び可能なタイプ
2.ガスコンロの不完全燃焼について
それでは、不完全燃焼とはどのようなことを指すのでしょうか。不完全燃焼の概要や見分け方について詳しく説明します。
2-1.不完全燃焼とは
基本的に、ガスコンロは燃焼時に空気を取り入れる仕組みです。ガスを燃焼させるためには十分な量の酸素が必要になりますが、酸素が不足すると不完全燃焼を起こしてしまいます。その仕組みをきちんと知っておいてください。
2-1-1.不完全燃焼が起こる原因
不完全燃焼が起こる原因は、酸素不足です。換気ができない部屋や狭い空間では、十分に酸素が吸収できないため、不完全燃焼が起こりやすい傾向があります。ガスコンロの場合は、正常な燃焼ができない環境や長時間の燃焼が問題です。また、ガスコンロの部品が劣化している可能性もあります。
2-1-2.不完全燃焼が起きるとどうなるか
不完全燃焼で最も怖いのが一酸化炭素の発生です。一酸化炭素が体内に入ると血液中のヘモグロビンと結びつきます。その結果、一酸化中毒になり、命にかかわる状態になるのです。体に悪影響が起きる前に、不完全燃焼を解決しておかなければなりません。
2-1-3.不完全燃焼の注意点
気づかないうちに不完全燃焼を起こしている可能性があります。ガスコンロを使用している最中に起きることが多く、ガスの臭いが充満することが特徴です。いつもとは違う不具合が起きている場合は、注意しておかなければなりません。「放っておけば直る」と思うのは大間違いなのです。
2-2.不完全燃焼の見分け方
不完全燃焼のわかりやすい見分け方としては、“臭い”と“ガスの色”が挙げられます。部屋中がガス臭くなったときは不完全燃焼の疑いがあるでしょう。ガスの色は、オレンジになります。正常のガス燃焼は青色で、オレンジ色は酸素不足になっている証拠です。
3.ガスコンロが不完全燃焼を起こしたときの対処法
ガスコンロが不完全燃焼を起こしたときに、最初にすべきことがあります。正しい対処ができるように、しっかり知識を把握しておきましょう。
3-1.最初にすべきこと
まず、しなければならないことが換気です。不完全燃焼は一酸化炭素を発生させるため、空気を入れ替えなければなりません。ガスの臭いがしたら、換気扇をつける・窓をあけるなどして換気を徹底させましょう。そして、換気をした後はガス会社か、またはガス設置業者に連絡してください。「後で連絡すればいい」と思うのではなく、すぐに連絡することが大切です。
3-2.一酸化炭素中毒について
一定量以上の一酸化炭素を吸いこんでしまうと、一酸化炭素中毒になります。一酸化炭素は無色・無臭のガスなので吸いこんだことに気づきにくいものです。また、重症化してから症状に気づく可能性があります。一酸化炭素中毒の症状は、濃度によって異なるので要注意です。主な症状を以下にまとめてみました。
(左)一酸化炭素ヘモグロビン濃度、(右)臨床症状
- ~10%:無症状
- 10~20%:軽度の頭痛
- 20~30%:判断力低下・疲労性
- 30~40%:激しい頭痛・めまい・視力障害・吐き気
- 40~50%:錯乱・呼吸促迫・重度の運動失調
- 50~60%:意識障害・痙攣(けいれん)・皮膚蒼白(そうはく)
- 60~70%:昏睡(こんすい)・尿便失禁
- 70%~:心機能および呼吸の抑制・停止
3-3.注意点
すぐに正しく対処するためには、不完全燃焼のメカニズムや見分け方などをきちんと把握しておかなければなりません。きちんと知識を持っていなければ、誤った対処をしてしまいます。実際に、間違った対処を行ったせいで一酸化炭素中毒になり、命の危険にまでおよんだ方もいるのです。症状が現れたら、すぐに換気をする、医療機関を受診するなど心がけてください。
4.ガスコンロの不完全燃焼を予防する方法
ガスコンロの不完全燃焼を起こさないためにできる予防法があります。換気・掃除・メンテナンスなどについて詳しく見ていきましょう。
4-1.換気が大切
ガスコンロを使用する際は、換気扇をきちんと回しておきましょう。部屋を閉め切った状態にしないことが大切です。普段から換気扇が正常に稼働しているかどうか、確認しておかなければなりません。また、ガスコンロの中には不完全燃焼防止装置がついている製品があります。
4-2.掃除
ガスコンロを使い終わった後は、きちんと掃除をしているでしょうか。掃除は安心・安全に使い続けるために必要なことです。バーナーなどの油汚れはキレイにふき取りましょう。五徳は水洗いができるので、そのまま洗ってください。食品のカスや油汚れをそのままにしていると、ガスコンロがすぐに壊れてしまいます。取扱説明書にも掃除方法が記載されているのでチェックしてください。
4-3.メンテナンス
日々のお手入れだけでなく、ガス管のメンテナンスも必要です。ガス管は調理する際、塩分・酸・油汚れが付着する可能性があります。ガス管の汚れは腐食の原因となるため、定期的に汚れがついていないかどうかチェックしてください。腐食が進行すると、取り換えなければならない可能性があります。ただし、自分で取り換えるのはNGです。ガスの資格を取得している業者スタッフに依頼しましょう。
4-4.注意点
掃除をするときは、ガスコンロの元栓を必ず閉めてください。元栓が開いたままの状態は、ガス漏れを起こす恐れがあります。また、長年使い続けているガスコンロの場合は、買い替えを検討するのもいいでしょう。修理をしても再び故障をする恐れがあります。今使っているガスコンロの状態をしっかり確認してから判断してくださいね。
5.ガスコンロのトラブル・設置について
ガスコンロを交換する際に、よく起きるトラブルや設置のポイントなどについて詳しく説明します。交換を考えている方はぜひチェックしてください。
5-1.業者選びのポイント
ガスコンロの交換・設置業者は多数存在しています。その中からどの業者に依頼すべきか、悩んでしまう方は多いでしょう。そんなときは、以下のポイントに注目してみてください。
- 給湯器の種類が豊富
- 最新の給湯器がそろっている
- 低価格で購入・設置工事ができる
- 丁寧かつスピーディーな対応
- 工事保証・アフターフォローがあるか
- 資格取得者が工事を行ってくれるか
5-2.修理・設置費用について
修理・設置費用は、ガスコンロの状態によって異なります。修理費用が高くかかる場合もあれば、安くなる場合もあるのです。ガスコンロの部品保有期間は5年と決まっているメーカーが多く、5年以上経過しているものは修理に必要な部品がそろわない可能性もあります。あくまで目安ですが、ガスコンロの修理費用はおよそ3,000円~です。新しく買い替える場合は、設置工事費用がおよそ20,000円~かかります。ガスコンロの本体はおよそ20,000円~50,000円するため、合計で40,000円~になるでしょう。
5-3.問い合わせ先
修理・設置費用はあくまで目安となるため、具体的な費用が知りたいときは業者に問い合わせてみてください。ほとんどの業者では、無料見積もりを実施しています。
6.ガスコンロの不完全燃焼に関するよくある質問
ガスコンロの不完全燃焼に関するよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.ガスコンロの耐用年数は?
A.ガスコンロの耐用年数は約10年です。使用年数が10年以上たつと、徐々に不具合や不調が出てきます。そのため、買い替えの際は10年を目安に考えてみてください。10年以上経過しているガスコンロは新しいものに買い替えたほうがいいでしょう。
Q.不完全燃焼がすぐに直った場合はそのまま使い続けてもいいのか?
A.不完全燃焼が起こってもすぐに直る場合があります。もとの状態に戻ったとしても、使用をやめてください。換気もきちんと行いましょう。そして、再度火をつけて不完全燃焼が起きていないかどうか確認してください。問題なければそのまま使っても大丈夫です。しかし、再び不完全燃焼が起きた場合は、すぐに業者・ガス会社に連絡しましょう。
Q.一酸化炭素中毒を起こしたときの対処法は?
A.「一酸化炭素中毒を起こしているかも」と思ったときは、すぐに新鮮な空気を吸ってください。新鮮な空気を取り入れることで、症状がよくなる可能性があります。症状が治まらない場合は、病院を受診しましょう。
Q.ガスコンロの設置・交換でよくあるトラブルは?
A.「設置後に追加料金を請求された」「新しいものに取り換えてもすぐに壊れた」というトラブルが起きています。ガスコンロの設置・交換トラブルを防ぐためには、安心して依頼できる業者を選ぶことが大切です。
Q.悪徳業者の見極め方は?
A.悪徳業者は保証・アフターフォローが充実していません。対応も雑で、見積書に不備な点が見られます。無料見積もりを依頼して、複数の業者を比較してみてください。サービス内容や業者スタッフの対応もチェックしましょう。
まとめ
ガスコンロの不完全燃焼は一酸化炭素中毒を引き起こす、とても危険な状態です。ガスの色がオレンジ色・赤色、ガスの臭いがする場合は不完全燃焼を起こしている証拠になります。そんなときは、すぐに窓をあけて新鮮な空気を取り入れてください。そして、ガス会社・設置業者に連絡しましょう。自分で何とかしようとする必要はありません。勝手に扱ってしまえば、爆発・火災の危険があります。安心・安全に対処するためにも、ガスの資格取得者が対処すべきです。また、10年以上使い続けている場合は寿命の可能性があります。新しいガスコンロに買い替えたほうがいいでしょう。ガスコンロの不完全燃焼について知識を身につけておけば、正しい対処ができますよ。