
古い給湯器は危険かも!? 壁貫通型給湯器の取り付け工事について!
お湯を作り出してくれる給湯器はとても重要な存在です。お湯が出なくなればお風呂に入れなくなりますし、冬場などは洗い物などもできなくなりますよね。ですから、故障のおそれがある場合には、できるだけ早く新しい給湯器の取り付け工事をしたいところでしょう。そこで今回は、現在主流となっている壁貫通型給湯器に焦点を絞った交換方法をご紹介します。
この記事を読むことで、壁貫通型給湯器にまつわる基本的な情報を知ることができます。いざという時に困らないためにも、しっかりと学んでいきましょう!
1.壁貫通型給湯器とは?
1-1.壁貫通型給湯器の特徴
貫通型給湯器とは、名前のとおり、壁を貫通して設置される給湯器のことです。従来の給湯器は浴槽と並べられて設置されていました。しかし、その分だけスペースが無駄になってしまいます。そこで考えられたのが貫通型給湯器です。給湯器浴室内に設置する必要が無いため、浴室スペースを広く利用することができます。デメリットがなく、メリットが大きいので、90年以降の建物では多くの建物で見られるようになりました。
1-2.給湯器の種類について
90年代まで主流だったのはバランス型風呂釜などの屋内設置型給湯システムです。浴室の浴槽と並べるように設置されます。そのため、スペースが無駄になり、狭小住宅では使いにくいというデメリットがありました。そんな中開発されたのが、屋外設置型給湯器です。給湯器を屋外に設置することができるため、スペースを有効活用できるようになり、一気に普及しました。そのほか、マンションなどの集合住宅では排気をパイプによって行う、パイプシャフト設置型給湯器があります。
1-3.別名
壁貫通型給湯器には、ホールインワン・バスイング・カベピタ・パックインなど、メーカーによってさまざまな別名があります。しかし、基本的に同じ仕組みの給湯器です。混乱しないように気をつけてくださいね。
1-4.歴史
壁貫通型給湯器は1983年に東京ガスによって開発されました。バランス型風呂釜の設置用に開けられた吸排気穴を活かすことで、大規模なリフォームを必要とせずに設置ができることで話題になります。ガスターや日立化成などがライセンスを取得して製造しだすと、一気に普及していきました。現在では、ほとんどの住宅で壁貫通型給湯器が採用されています。
2.壁貫通型給湯器の特徴について
2-1.なぜ大量採用されたのか
これまで主流だったバランス型風呂釜は給湯器本体を浴槽の横に設置する必要がありました。給湯器の分だけスペースが無駄になってしまいますので、浴槽も比例して小さくなってしまいます。そのため、浴室の広さによっては、三角座りでなんとか入ることができるような狭い浴槽を使わざるをえないこともありました。しかし、壁貫通型給湯器は本体を浴室の外に設置できます。当然、浴槽を大きくすることが可能です。浴槽はリラックスするためのものですから、広いもののほうが人気が出るのも当然のことでしょう。しかも、バランス型風呂釜から交換する場合に、大きなリフォームを必要としない点も、爆発的に人気が高まったことの一因といえます。
2-2.デメリットはないの?
まずは電源に関する問題です。壁貫通型給湯器を設置するためには、100V電源が必要となります。原則として、浴室内にはコンセントを設置できないため、家の構造によっては設置に手間がかかってしまうでしょう。また、故障した際に不便というデメリットもあります。水漏れなどが発生した際に、壁を貫通しているがゆえに修理が大変です。
2-3.不具合が出ても使い続けて大丈夫?
基本的には、使い続けないようにしてください。給湯器はガスを使う機器ですので、不具合が発生したまま使い続けると事故の危険があるからです。特に、古い給湯器の場合、ガス漏れなどが原因で爆発することも考えられます。
2-4.向いている家庭
現在バランス型風呂釜を設置しており、浴槽が狭くて悩んでいる方におすすめです。また、給湯器が古く、不具合が発生している場合にもおすすめします。特に、古い給湯器はガス漏れなどを起こしていることがあるでしょう。お湯を使うとガスの臭いがする場合などには、安全面などを考えて早いうちに交換することをおすすめします。
3.壁貫通型給湯器のよくある故障やトラブルについて
3-1.よくある故障、トラブルとは
長年使い続けると様々な不具合やトラブルが発生します。以下は、よく発生する不具合です。
- お湯が出ない
- 水もお湯も出ない
- 温度が安定しない
- 給湯器から異音がする
- お湯を使うとガスの臭いがする
- お湯を使うと煙が出る
- 頻繁にエラーコードが出る
3-2.対策
エラーコードが出ている場合は、説明書を確認して、何が問題かを確認しましょう。エラーコードが出ず、なぜ不具合が発生しているのか不明な場合には、給湯器専門業者、もしくはガス会社などに相談してください。
3-3.修理か交換か
給湯器が新しいか古いかで判断すると良いでしょう。2~4年程度の比較的新しいものでしたら修理をおすすめします。5年以上たっているものに関しては修理してもまたすぐに不具合が出る可能性が高く、ガス代なども新しいものに比べて割高になっていることが多いので、交換してしまった方が良いでしょう。
4.新しい壁貫通型給湯器の選び方
4-1.人気のメーカーと機種について
人気のあるメーカーは、リンナイやノーリツなどが挙げられます。リンナイがシェア42%で1位、ノーリツが40%で2位につけているのが現状です。つまり、現在使われている給湯器の80%はこの2社が製造した給湯器となります。ちなみに、このほかとしては、パロマやパーパスなどが挙げられるでしょう。人気があるというのは、それだけ優れた技術を持ち、信頼できる製品を作っているということの証明です。こだわりがないのであれば、リンナイかノーリツの給湯器を選べば、間違いはありません。
シェア1位のリンナイで人気なのが、オールインワンタイプの給湯システムとなります。即湯循環に必要な循環ポンプ・密閉式膨張タンク・システムコントローラなどを内蔵した給湯器です。重要な機能が一つにまとめられているため、取り付け作業が簡単で、手早く工事を終わらせることができます。即日交換したいときなどに便利なため、非常に人気です。
4-2.選び方のポイント
4-2-1.同じ機種を選んで値段を抑える!
現在設置されている機種と同じ機種の場合、取り替えだけで済むため、費用を安く抑えることが可能です。さらに、壁に穴を開ける必要がないため、工期も短くなります。
4-2-2.最新機種を選んで新機能とエコを!
湯船につかる習慣のある日本では、給湯器はただお湯を沸かす機能だけでは満足されません。そのため、年々新たな機能が増え、能力も進化していっています。たとえば、お湯はり、追いだき、保温、たし湯まですべてを全自動で行ってくれる機能や、音声でナビゲートしてくれる機能は最近では当たり前です。さらに、たきあがり予約機能や配管を自動で洗浄する機能、外気温を利用してエコにお湯を作る機能などもあります。自分の求める機能を持った給湯器を選んでくださいね。
4-2-3.家族数を考慮して選ぼう!
食器を洗っていたら、突然お湯の量が減って困った経験ありませんか? 実は、給湯器にはそれぞれ給湯能力があり、16号・20号などのように「号数」で表すのです。号数は大きければ大きいほど給湯能力が高くなります。たとえば、16号給湯器ならシャワーを使うだけで精一杯ですが、28号給湯器であればシャワーを使いながらお湯をはることも可能です。洗い物をしている最中にお湯をはったりシャワーを使っても困りません。家族が多い場合はお湯を使う場面も多くなるので、できるだけ号数が大きい給湯器を選ぶことをおすすめします。
4-3.号数について
号数は「水温+25度のお湯」を1分間に何リットル給湯できるかを表すものです。たとえば、水温+25度のお湯」を1 分間に20リットル出すことができる給湯器なら20号ということになります。
5.壁貫通型給湯器の交換について
5-1.寿命、耐用年数はどのくらい?
給湯器の寿命は10年です。実際には10年たっても元気に稼働することも珍しくはありませんが、メーカ側が給湯器部品の供給期限を「製造終了から10年」に設定しているため、便宜上10年とされています。
5-2.何型の給湯器に交換すべきか?
基本的には壁貫通型、特にオールインワンタイプのものを選ぶことをおすすめします。高性能の製品が多く、浴室を十分に活用できるからです。逆に、避けたほうが良いのは、バランス型風呂釜などの浴室内設置型となります。浴室内設置型はメンテナンスや交換が簡単というメリットがありますが、スペースを無駄にしてしまうデメリットが大きすぎるからです。
5-3.高性能給湯器について
高性能給湯器といえば、「エコジョーズ」や「エコキュート」などが代表的な製品として挙げられるでしょう。これらのエコ給湯器は、従来の給湯器では無駄になっていた熱を再利用してお湯を温めます。そのため、エネルギーの節約となり、ガス代などを安く抑えることが可能です。
5-4.交換工事について
業者や浴室の状況、現在の給湯器のタイプなどによって違いますが、壁貫通型給湯器の工事は一般的に以下のよう流れで行われます。
- 既存の給湯器を取り外す。この際、バランス型から壁貫通型へ交換する場合や、浴槽を新しいものと交換する場合には、浴槽も取り外します。
- バランス型などから壁貫通型への交換の場合は、壁に新しく穴を開け、設置場所を確保する
- 給湯器を取り付け、配管をつなげる
- 既存のリモコンを取り外し、新しいものに交換する
- ガス漏れなどの確認を行う
- 浴槽を設置して完了
5-5.工事料金について
壁貫通型給湯器の本体料金は、15万~30万円程度です。そこに、取り付け工事費が5万円程度かかってくるでしょう。さらに、新しい浴槽などを設置する場合には、浴槽のお金もかかってきます。正確な値段を調べたい場合には、業者に見積もりを依頼しましょう。
6.壁貫通型給湯器に関してよくある質問
6-1.バランス型風呂釜と壁貫通型給湯器はどっちが良いの?
壁貫通型給湯器が発明されたことでバランス型風呂釜が衰退した歴史からわかるように、基本的に壁貫通型の方がおすすめです。バランス型に比べて安全ですし、機能もより充実しています。何より、浴室を広く利用できるのが大きなメリットです。
6-2.壁貫通型給湯器に交換できないことなどはありますか?
マンションでは配管などの変更が建築上不可能です。そのため、もとから壁貫通型であれば問題がありませんが、そうでない場合は交換できません。もともと設置されていたタイプへの交換となります。
6-3.給湯器を交換は誰に依頼すればいいのですか?
給湯器の設置や交換の専門業者に依頼するか、ガス会社に依頼するのが一般的です。中でも専門業者は、沢山の種類の給湯器を取り扱っており、対応や工事がスピーディなのでおすすめします。
6-4.井戸水や温泉水を利用することはできますか?
給湯器全体に言えることですが、基本的に井戸水や温泉水は使用できません。水質によっては配管などを腐食させ、水漏れなどの原因となるからです。井戸水や温泉水を使って故障した場合、保証期間内でも修理費用が自己負担となります。注意してください。
6-5.見積もりにお金はかかりますか?
業者にもよりますが、基本的には無料です。もちろん、弊社でも見積もりは完全に無料となっています。気軽にご相談ください。
まとめ
いかがでしたか? 今回は壁貫通型給湯器に関する基本的な情報についてご紹介しました。壁貫通型給湯器は壁を貫通する形で設置される給湯器のことです。従来のバランス型風呂釜に取って代わり、現在では最も主流の給湯システムとなっています。給湯器の寿命である10年を目安にして、上手に交換しましょう!