ガス給湯器の屋内設置で注意することは? 気になる費用も詳しく!

ガス給湯器の屋内設置をお考えではないでしょうか? 一戸建てなら屋外設置も簡単ですが、マンションなどの集合住宅では条件が合わないこともありますよね。しかし、屋内設置型の給湯器にも、さまざまなタイプがあるのです。まずは、最適な給湯器を選ぶためにも、どんな種類があって・どんな特徴があるのかを知ることが必要でしょう。

そこで今回は、ガス給湯器の屋内設置について詳しく解説します。

  1. 屋内設置型のガス給湯器とは?
  2. 屋内設置型のガス給湯器の種類と特徴
  3. 屋内設置型のガス給湯器のメリットとデメリット
  4. ガス給湯器の設置業者の選び方
  5. ガス給湯器の屋内設置に関するよくある質問

この記事を読むことで、屋内設置型のガス給湯器の選ぶコツや注意点がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

1.屋内設置型のガス給湯器とは?

最初に、屋内設置型のガス給湯器について基本を見ていきましょう。

1-1.屋内設置型と屋外設置型の違いは?

ガス給湯器の設置方法は、屋内設置型と屋外設置型の2つに大きく分けることができます。

  • 屋内設置型:吸排気の屋外で行うため屋内に廃棄が入り込まない
  • 屋外設置型:排気を屋内に出す必要がある

1-2.屋内設置型はどんな場合に選ばれる?

屋内設置型のガス給湯器は、一戸建て・マンションを問わず、設置スペースが広く確保できない場合によく選ばれます。さらに、マンションのパイプシャフト下など、設置スペースが指定されている場合は、既存の条件にあった屋内設置型選ぶことになるでしょう。

1-3.設置基準を守ることが大切

屋内設置型の給湯器を安全に使うためには、設置基準を守ることが大切です。具体的には、以下を参考にしてください。

機器本体から建物や障害物との距離

  • 上方:排気口から300㎜
  • 前方:600
  • 後方:10㎜
  • 側方:150㎜(不燃材は45㎜)

排気吹出口から障害物までの距離

  • 上方:排気口から300㎜
  • 下方:排気口から150㎜
  • 前方:600㎜
  • 側方:150㎜

排気吹出口から窓までの距離

  • 上方:排気口から300㎜
  • 下方:排気口から150㎜
  • 前方:600㎜
  • 側方:150㎜

排気筒の設置基準

  • FE式およびFF式: 排気筒の機器からの立ち上がり部は1m以内・排気筒を横に延長する場合は50分の1の勾配をつける
  • CF式:風圧帯の範囲外に排気筒トップを設置する

2.屋内設置型のガス給湯器の種類と特徴

屋内設置型のガス給湯器にはどんな種類があるのか、主な特徴と共に解説します。

2-1.吸排気タイプ別の種類と主な特徴

屋内設置型のガス給湯器は、吸排気タイプによって密閉式と半密閉式に分けることがでます。

2-1-1.密閉式

密閉式の屋内設置型給湯器には、FF式とBF式の2種類があります。

  • FF式(強制吸排気式):屋外の空気を取り込みガスを燃焼させる・強制的に排気させる
  • BF式(自然吸排気式):屋外の空気を取り込みガスを燃焼させる・自然に排気する

2-1-2.半密閉式

半密閉式の屋内設置型給湯器は、FE式とCF式の2種類に分けることができます。

  • FE式(強制排気式):屋内の空気を利用しガスを燃焼させる・強制的に排気させる
  • CF式(自然排気式):屋内の空気を利用しガスを燃焼させる・自然に排気する

2-2.設置タイプ別の種類と主な特徴

屋内設置型給湯器は、設置タイプにより以下のような種類に分けることもできます。

  • 壁掛け型:浴室や洗面所の壁にかけるタイプ
  • 浴室設置型:浴室の床などに設置するタイプ
  • 壁貫通型:浴室とは別の場所に設置するタイプ

3.屋内設置型のガス給湯器のメリットとデメリット

屋内設置型のガス給湯器には、どんなメリットやデメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

3-1.天候の影響を受けにくいのがメリット

屋内設置型のガス給湯器は、天候の影響を受けにくいのが大きなメリットです。風雨にさらされることがないので、給湯器本体やリモコン配線が劣化しにくく、長持ちします。海が近かったり台風が多く通過したりする地域にも向くでしょう。

3-2.屋内が狭くなるなどのデメリットもある

屋内設置型のガス給湯器には、以下のようなデメリットがあります。メリットだけでなく、デメリットも理解して設置を検討しましょう。

  • 屋内が狭くなる
  • 設置場所に制限がある
  • 配管工事などオプション費用が高くつくことがある

3-3.設置基準を守らないと事故の原因になる

屋内設置型の給湯器は、必ず設置基準を守ってください。設置基準を無視した場合、以下のような危険を伴います。いずれも、命にかかわったり周囲に迷惑をかけたりするものです。

  • 不完全燃焼による一酸化炭素中毒
  • 火事の発生
  • ヤケドなどのケガ

4.ガス給湯器の設置業者の選び方

ガス給湯器の設置は、信頼できる業者に依頼しましょう。

4-1.家族の人数や使用頻度などで種類を決める

ガス給湯器の種類を決めるときは、設置場所の条件以外にも以下のようなポイントを参考にしましょう。

  • 家族の人数
  • 使用頻度
  • 欲しい機能
  • 予算
  • メーカー

4-2.工事費用は10万円程度~が目安

ガス給湯器の設置費用の目安は、10万円程度~です。寒冷地仕様の給湯器や、バランス釜から壁貫通式の給湯器に交換する場合などは、オプション費用がかかります。実際の費用は、給湯器の種類や工事の難易度に大きく左右されるため、詳しくは業者の見積もりを参考にしてください。

4-3.業者選びのポイント

ガス給湯器の設置は、以下の条件を満たす業者に依頼すると安心できます。

  • ガス給湯器の設置・交換実績が豊富
  • ガス給湯器の品ぞろえが豊富
  • 見積もりは無料
  • リーズナブルかつ分かりやすい料金設定
  • なるべく希望の日程で設置してくれる
  • スタッフが親身になって相談に乗ってくれる
  • 顧客からの評判がいい
  • 保証やアフターサービスが手厚い

4-4.突然訪問してくる業者に注意すること

ガス給湯器の設置業者の中には、悪質業者も含まれています。たとえば、以下のような特徴のある業者には注意してください。

  • 突然訪問してきて「給湯器の無料点検」をすすめる
  • 「今すぐ交換しないと危険だ」など、不安をあおる発言をする
  • 設置条件を無視して高価格帯の機種ばかりすすめてくる
  • 身分証を提示したがらない

5.ガス給湯器の屋内設置に関するよくある質問

最後に、ガス給湯器の屋内設置に関する質問に回答します。それぞれ確認してください。

Q.一戸建てで屋内設置型を選ぶ必要がある場合は?
A.一戸建てでも隣家との間に十分な設置スペースがない場合は、屋内設置型を選ぶことになるでしょう。また、給湯器を屋外に置かなければ家の外観をスマートに保つこともできます。

Q.屋外設置型の給湯器を屋内設置することはできる?
A.できません。屋外設置型と屋内設置型では、吸排気方式が異なるためです。

Q.壁掛け式ガス給湯器のメリットは?
A.省スペースで邪魔になりにくいのがメリットでしょう。床置き式と比べて設置場所を選びやすく、洗面所の壁などデッドスペースの活用も可能です。

Q.ガス給湯器の設置工事だけで依頼できる?
A.業者によっては可能です。ただし、実際に設置しようとしたところ、十分な設置スペースがなかったというケースもあります。また、設置工事だけでは十分な工事品質を確保できないとの理由で断られる場合もあるでしょう。

Q.屋内設置型のガス給湯器の寿命は何年?
A.10~15年程度が目安です。ただし、使用環境や使用頻度にもよるので、目安よりも早く寿命を迎えることがあります。購入後数年経過し、不具合が頻発する場合は、寿命と考えていいでしょう。

まとめ

今回は、ガス給湯器の屋内設置について詳しく解説しました。屋内設置型のガス給湯器は、マンションなど設置場所に制限がある場合でも置くことができるものです。安全に使用するためにも、必ず設置基準を守りましょう。なお、屋内設置型の給湯器にもさまざまな種類があります。設置場所の条件などにより適する機器が異なるため、信頼できる業者によく相談して選ぶといいでしょう。