
給湯器が故障する原因は? 原因別の対策方法と交換のポイントを紹介
「給湯器から変な音がする」「故障の対処法が分からない」など、給湯器の故障や不具合の対処法で悩んでいる方は多いでしょう。給湯器が急に故障すると、お湯が沸かせなくなり困った事態になってしまいます。急に使えなくなる=機器の故障と思いがちですが、エラーコードを確認すると自分で解決できるケースもあるのです。まずは、なぜ使えなくなったのか原因を突き止めることが重要となります。そして、あらかじめ原因別対策と確認すべきことを把握するのも大事です。
本記事では、給湯器の故障原因や対策について解説します。
この記事を読むことで、給湯器が故障したときの正しい対処法と交換方法などがわかります。気になっている方は、ぜひチェックしてください。
1.給湯器が故障する原因を紹介
最初に、給湯器が故障する原因をチェックしておきましょう。
1-1.老朽化・寿命による故障
給湯器の平均耐用年数は、約8~10年と言われているため、8年経過すると少しずつ不具合が起こり始めます。使用年数が8年を経過している給湯器が故障した場合は、老朽化や寿命が原因と考えていいでしょう。給湯器本体内部の部品が寿命を迎えた証拠なので、修理よりも買い替えを検討すべきです。一時的に修理しても耐用年数を過ぎた給湯器は、再び故障する可能性が高くなります。2度手間を防ぎ費用を抑えるためにも、買い替えたほうが良いのです。
1-2.激しい雨や風による影響
給湯器本体が設置されるのは家の外なので、激しい雨風など天候の影響を直接受けることになります。そのため、悪天候が給湯器の故障を引き起こすきっかけにもなるのです。特に、台風や大雨の後は、給湯器に不具合が起こりやすくなるでしょう。一般的に、給湯器は一定量の雨風を想定した上で設計されていますが、一定量以上の大雨になると雨が給湯器内に入り込んでしまいます。その結果、点火しづらくなったり、内部のホコリやゴミが湿気を持ちトラブルが起きたりしてしまうのです。
1-3.給湯器本体にかかる過度な負担
給湯器は間違った使い方をすると、本体に大きな負荷がかかってしまいます。その結果、平均寿命よりも早く老朽化を迎えてしまうのです。過度な負荷がかかる使い方は、たとえば、家庭用の給湯器を業務用として使用したり、号数の能力以上に給湯器を使用し続けたりするなどがあります。家族が増えたときは従来以上にお湯を使う量が多くなるため、給湯器に大きな負担がかかってしまうでしょう。そんなときは新しく号数が大きい給湯器に買い替えることをおすすめします。
1-4.冬場や寒い地域でよく起こる凍結
給湯器が故障する原因は、凍結も大きく関係しています。雪が降るような寒い日や豪雪地域では、配管にたまった水が凍結することがたびたびあるでしょう。最初は問題なくても、何度も凍結すると配管の耐久性が低くなってしまい、破損させてしまうことがあります。配管は一度破損すると修理が必要になるため、給湯器が使えるまで時間がかかるでしょう。
2.給湯器のよくある故障、故障しやすい箇所は?
それでは、給湯器のよくある故障と、故障しやすい箇所をチェックしておきましょう。
2-1.お湯にならない、お湯も水も出ない
給湯器でよくある故障が、お湯にならない・お湯も水も出ないことです。原因としては、ガスメーターが遮断している・ガス栓が閉まっている・プロパンガスが切れているなどが考えられます。お湯も水も出ないときは、水栓に不具合が起きている可能性があるため、交換もしくは修理が必要になるでしょう。複数箇所のお湯または水が出ない場合は、断水・給水バルブが閉まっている・給水配管が凍結している・リモコンのスイッチがオフになっているなどが考えられます。
2-2.温度が安定しない
設定温度よりも熱すぎたり冷たすぎたりと温度が安定しない場合は、水栓金具の不具合が考えられるでしょう。ただし、すべての水栓で同じような症状が出ている場合は、給湯器本体に不具合が起きている可能性が高めです。リモコンで操作をしても温度が安定しないなら、給湯器本体に表示されているエラーコードを確認しましょう。
2-3.異音や変なにおいがする
給湯器から異音がしたり、ガスのようなにおいがしたりする際は、本体に不具合が起きている可能性があります。ホラ貝のような音やピーという笛のような音がしている場合、ファンモーターという部分の不具合が考えられるでしょう。ただし、ジュージューという蒸発音など、異常ではないケースもあります。変なにおいやガスのにおいがした場合は、不完全燃焼を起こしている可能性があるため、すぐに換気し業者に相談したほうがいいでしょう。
2-4.故障しやすい箇所は主に4箇所
給湯器で故障しやすい箇所は、リモコン・配管・給水バルブ・基盤の4箇所です。
お風呂場や台所に設置されているリモコンが故障してしまうと、お湯の温度設定や自動湯足しなどの機能が使えなくなります。また、配管は水漏れが起こりやすく、そのまま放置すると漏電を起こす恐れがあるので要注意です。給水バルブは水漏れを一時的に止めることができますが、ここが壊れていると給湯器内部まで影響が及んでしまいます。そして、1番やっかいな箇所が基盤です。基盤は給湯器を動かす心臓部でもあるため、故障した際は修理ではなく交換になります。
3.給湯器の原因別対策と確認すべきこと
それでは、故障の原因別対策と確認すべきことをいくつかピックアップします。
3-1.フィルターや配管をチェックする
お湯は出るが追い焚きができない・追い焚きはできるがお湯が出ないケースは、フィルターや配管をチェックしてください。お湯と水の出入り口に付いているフィルターにゴミや髪の毛が付着していると、追い焚きがストップしてしまいます。水の量が少なくなり、一定量の流水が確認できなくなってしまうのです。給湯器の配管が凍結している場合は、無理に自分で解凍するのではなく自然解凍されるのを待つか、業者に依頼しましょう。
3-2.ガスメーターやリモコンをチェックする
お湯も出ない・追い焚きもできないというときは、ガスメーターやリモコンをチェックしましょう。ガスメーターが止まったり、水栓やガス栓が開通していなかったりすることで給湯器が稼働しないケースもよくあることです。また、リモコンのスイッチがしっかりオンになっているかも確認しましょう。オンになっていても稼働しない場合は、エラーコードが表示されているかもしれません。手元に取扱説明書があれば、エラーコードの意味が記載されているので不具合の原因が確認できます。
3-3.どのような不具合が起きているか確認する
「故障かもしれない」と思ったときは、リモコンのエラーコードを確認してから、どのような不具合が起きているのか把握しましょう。そして、なるべく早めに給湯器の販売や修理を行っている業者に相談してください。特に、水栓やガス栓が開いているのにお湯が出ない・ガスのようなにおいがするケースは早急の対応が必要です。
4.給湯器の修理・交換を依頼するポイント
給湯器の修理と交換を依頼するポイントを解説します。
4-1.給湯器の販売・修理業者に相談する
給湯器の修理と交換を行っている業者はたくさんあります。どの業者に依頼すべきか悩んだときは、なるべく給湯器販売と修理の実績があるところを選んでください。即日対応が可能か、スピーディーに対応してくれるかどうかも大切なポイントです。給湯器が使えない期間が長くなるほどお風呂に入れず、生活に支障をきたしてしまいます。
4-2.寿命や故障内容を考えて修理か交換か決める
業者に相談する際は、具体的にいつからどのような不具合が起きたのかしっかりと伝えてください。業者スタッフが給湯器を確認しますが、ヒアリングを行うことで早急に原因を突き止めることができます。そして、故障内容を踏まえた上で修理か交換か選択することになるでしょう。どちらにすべきか悩んだときは、給湯器の使用年数を考えてください。平均寿命は約8~10年なので、その年数を目安に決めるといいでしょう。ただし、故障箇所によっては交換せざるを得ないケースがあります。
4-3.修理費用は3~4万円、給湯器本体は8~14万円
修理内容にもよりますが、目安の修理費用は約3~4万円です。簡単な修理なら1万円以内で抑えることもできるので、具体的な費用に関しては業者に確認してください。給湯器を交換する場合は、グレードや種類・号数によって大幅に価格が異なります。たとえば、近年注目が集まっているエコ給湯器は、従来の給湯器よりも高めです。
5.給湯器の故障に関してよくある質問
給湯器の故障に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.給湯器の修理は自分でできるのでは?
A.給湯器の修理は素人ができるものではありません。ほとんどの給湯器はガスを使ったり、電気を使用したりしています。配管や基盤の扱い方を間違えると、すぐに故障し、ガス漏れや感電する恐れがあるのです。給湯器は精密な機械なので、自分で修理しようとした結果、さらに複雑な状態になってしまい無駄な出費がかかる可能性もあります。節約のために自分で修理するよりも、専門業者に依頼したほうがスピーディーで安心です。
Q.マンションの給湯器を交換する際の注意点は?
A.賃貸マンションの場合、給湯器はあくまで大家さんや管理会社の所有物となります。各家庭で使用量が決まっているため、勝手に給湯器を交換してはいけません。基本的に、給湯器が故障したときは管理会社や大家さんに連絡してから業者を呼ぶことになります。号数を大きくしたり、新しい給湯器にしたりすると契約違反になり、後々トラブルに発展するので注意してください。
Q.故障のサインはどんなもの?
A.給湯温度が安定しない・異音や異臭がする・お湯が設定温度よりもぬるい・追い焚きができない・黒い煙が出る・お湯になるのが遅いなどの症状は、故障のサインとなります。一時的な症状でも頻繁に起きるなら、1度、業者に相談し確認してもらったほうがいいでしょう。定期的に給湯器の状態をチェックすることで、完全に動かなくなる前に対処できます。
Q.給湯器の故障を放置するとどうなるの?
A.給湯器の故障の中には、放置することで大きな事故につながる危険性もあるので注意が必要です。たとえば、給湯器の故障で発生する一酸化炭素中毒があります。給湯器が不完全燃焼を起こすと、一酸化炭素が発生するのです。この一酸化炭素は毒性の高い気体なので、中毒を起こすと死に至ることもあります。一酸化炭素の発生を防ぐためには、正しく動作しているか点検することが大切です。
Q.給湯器を長持ちさせるコツは?
A.給湯器周辺にものを置かず、排気口をふさがないように心がけましょう。排気口がふさがると空気が淀み、一酸化炭素中毒を起こす原因となります。また、使用人数に適した号数を選択することも大切です。号数は給湯性能を表しており、性能以上の使用は寿命を縮めてしまいます。そして、入浴剤を入れて追い焚きしないこともコツの1つです。硫黄や塩分が含まれている入浴剤は、給水バルブや配管の劣化を速めてしまいます。
まとめ
給湯器の故障原因は、寿命・過度な負担・凍結・天候などがあります。誤った使い方やスイッチがオフになっていたといったミスが原因で使えなくなることもあるのです。まずは、給湯器に表示されているエラーコードを確認しましょう。自分で対処しても解決しない・原因がわからない場合は、給湯器の修理を行っている業者に相談してください。すぐに対応してくれる業者なら、給湯器が壊れていても再び使えるようになるまで時間がかかりません。スピーディーに対応してくれるか、業者選びも大切なポイントとなります。